5.日本きのこ図版について

 

1.概要

日本きのこ図版とは日本きのこ同好会の青木実氏が中心となって作ったキノコの図版である。

日本産の既知種のキノコを調べるときには、日本きのこ図版を調べなくてはいけない。

なぜなら、今関・本郷の原色日本新菌類図鑑で和名と学名のみで掲載しているキノコは、日本きのこ図版の情報がもとになっているキノコがいくつかあるからである。

そこで日本産きのこ目録では日本きのこ図版の情報を入力した。

日本産きのこ目録2014では、日本きのこ図版(No.1-1127)と2006年の日本きのこ検索図版の情報を入力した。

日本産きのこ目録2015では、2008年の青木実・日本きのこ同好会(名部みち代編)200816巻までの情報を入力した。

 

 

2.日本きのこ同好会および日本きのこ図版について

1.日本きのこ同好会は1967年に青木 実氏が発起人となって青木実と吉見昭一の両氏が設立した。

2.No.1No.1000」は、197841日に相良直彦先生が「日本きのこ図版を文献として利用可能な最低限のものとしたい」という思いで、相良先生が印刷・製本して世界の主要な図書館・研究機関に寄贈している。また、この印刷・製本には吉見昭一氏が協力し、費用も日本きのこ同好会が負担している。このことから、「No.1No.1000」は「日本きのこ図版」の当時の著作権者である「日本きのこ同好会」の承諾をえて複製したと考えられる。

3.No.1No.1072」は、発行年を記載していて、発行年に同好会会員に謄写印刷で配布している

4.No.1073No.1127」は、発行年を記載していて、発行年に同好会会員にコピーで配布している

5.No.1128No.2172」 は、発行年を記載せず、同好会会員に配布もしていない。

6.No.1200」までは、吉見氏に渡しているが、日本きのこ同好会が解散したため配布は「No.1127」までとなっている

7.No.1745No.2172」は、日本きのこ同好会の名前が書いていいない。

8.青木氏は、採集標本を肉眼的・顕微鏡的に観察して記録を作成し、そしてこの観察記録から図版を作成した。

青木氏は図版化したきのこを必要に応じて観察記録を追加し、その作成した補足を当該図版へ転載した。

しかし、すべての補足(11073番)を該当する図版に転載しているわけではない。

91997年に、青木氏は自分が作成した「日本きのこ図版」に関わる著作権をすべて千葉菌類談話会に寄贈をしていてる。

10.No.1No.2172」は、1997年に千葉菌類談話会がコピーをして、それを一部の人が入手している

11.千葉菌類談話会の有志が1997年にコピーをした「日本きのこ図版」には不足ページのある不完全版であった。

12.日本きのこ同好会2が2006年に日本きのこ検索図版を発行した。この日本きのこ検索図版の公開により、青木実氏が補足を図版に追加転載していたことが明らかになった。千葉菌類談話会有志が1997年にコピーをした「日本きのこ図版No.1No.2172」、相良先生が中心となり印刷製本した1978年発行「日本きのこ図版No.1No.1000」には不足ページがあることが判明した。不足のページは、青木氏が1995年頃に「No.1124」以下の図版に追加をしている

13.兵庫の名部みち代氏が千葉県立博物館にて不足ページを見つける

142008年に不足図版を含めたすべての図版を名部みち代氏が中心となって日本きのこ同好会2がコピー製本して希望者に配布をした。

15. 名部みち代氏は印刷製本したものを世界の主要な図書館・研究機関に寄贈している。

16.これまでのコピー図版は著作権を取っていないので非公式である。

17. No.1128No.2172の情報は、2008年の名部氏のコピー製本が発行年となるが、1997年に青木氏が千葉菌類談話会に図版のすべてを寄託したという事実を入れるなら1997年が発行年と考えることもできる。

 

 

3.日本きのこ図版の目録への入力について

青木実氏の最終的な見解が日本きのこ検索図版となるため、日本産きのこ目録では2006年の日本検索図版の和名と学名は優先している。

日本産きのこ目録での日本きのこ図版の関連の入力に関しての特記事項は以下の通りである。

@日本きのこ同好会会員. 1965-1981. 日本きのこ図版(No.11172

入力例 青木実. 1970. 日本きのこ図版 No. 477. 日本きのこ同好会. (コノハシメジ/-.

A青木実. 2006. 日本きのこ検索図版

入力例 青木実. 2006. 日本きのこ検索図版 (1997) p. 380. 日本きのこ同好会 2. (オオキイロイグチ(176:251)=(2031)/Pulveroboletus sp.).

※和名の後ろに図版番号をいれている。

※青木氏以外の場合は名前をいれている。(ササクレヒメノカサ[(42)豊島]/Hygrocybe caespitosa.

B青木実・日本きのこ同好会(名部みち代編). 2008. 日本きのこ図版 16 (No.12172、補足No.11073、日本きのこ分類研究)

入力例 青木実・日本きのこ同好会(名部みち代編). 2008. 日本きのこ図版 2:264-278. 日本きのこ同好会 2. (ウスチャベニヒダタケ(1350)(421)(423)/Pluteus sp., ヒガサベニヒダタケ(1362)/Pluteus sp., ビロウドヒメベニヒダタケ(115)(1228)(1445)/Pluteus sp., シワベニヒダタケ(1277)/Pluteus sp..

※和名の後ろに図版番号をいれている。青木氏以外の場合は名前をいれている。

※同じきのこの範囲のページ始まりと終わりを入れている。

※和名が違うが同じキノコとなっている場合は和名は入れている。

※青木氏以外の場合は名前をいれている。(ササクレヒメノカサ[(42)豊島]/Hygrocybe caespitosa.